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Map.

 とある男の旧い手記…

 過去2度の破滅の上に存在する世界、ティエルレイト。
 生き物達はこの美しい星に暮らしている。

“今は昔 闇ノ後継者 世を滅ぼさんとす。
其の野望 光ノ使者出づり 討ち滅ぼしたり。
のち 闇即ち 禁忌の呪詛と 言伝う”
──『古代逸話 第3番』より抜粋

 これは世界各国で知られる古い文書だ。
 第1番は人間による生態系の変化、第2番は 陣機械クロムディアによる環境破壊、第3番には殺戮術による世の破滅がつづられている。

 これにより人類は『生物の滅び』を戒めとしている。「二度と苦しむ種族が出ないように」と、多くの人間がそう考えるようになったのだ。
 人々は学び、太古に比べてより多くの人々が希望と幸せを得た。

 今現在、古代逸話にある職業に就くもの(動物の乱獲、環境に影響する製造、奇妙な殺戮術を使う者)たちは、異端者のように見られることもしばしばある。
 彼らは……決して胸を張れる生き方ができまい。

 人間は、広大な自然と共存する。
 魔煌ヴィレラ学問の発展により、人々はあらゆる現象を不思議にも思わず、自然と調和し当たり前に日々を生きている。


 これからもきっと、そう在るのだろう。

 

 ──エクリマティアス・イーリエン.

 主な国々について

 〈エスタール王国〉……緑豊かな国。
 世界地図の中央、赤道付近を中心に存在。東部には高い山々が連なり、西部には平野が広がる。国王を護る民間の騎士制度が特徴。
 定職者でなければ港や王都を自由に出入りできないという法があるが、基本生活には不自由しない。

 〈クレルヴィ首長国〉……熱砂吹く暑い地域。
 国軍はあれど実質は地域の自治体ごとに街を治めている。縦に長く、南半球に位置する。敗戦国であった歴史により従隷エグリマの献上制度が未だ目に付く。
 気候の厳しさから発展途上なイメージが強いが、他国とは付かず離れずであらゆる物資を貿易している。

 〈ガルニア帝国〉……大陸から離れた軍事国家。
 北東、高緯度地帯に存在するが、内部の詳細は謎に包まれている。民間人の脱国禁止にはじまり、ザルツェネガ共和国の一部港を除く国外と貿易をせず、他国への侵略・攻撃が殆どであるためだ。
 気候はおそらく寒いだろうと推測される。

 〈ザルツェネガ共和国〉……さまざまな国がひとつにまとまった過去を持つ国。
 人口が多く、北中央に横長い地形。個人の自由を尊重する国家で様々な変わり者が各地に居り、首都の雰囲気が薄暗いのは印象的。
 貴重な鉱山など、他国からは貿易の資源面で頼られている。

 〈フォルスタン〉……治安の悪い島の地名。
 厳密にはザルツェネガ共和国の国内とされ独立国ではないが、ならず者のあまりの多さに手が付けられなくなり、不法地帯と化している。
 しかし港町では異国の人同士が盛んに交流をしており「国境なき島」とも呼ばれる。

 〈テスフェニア公国〉……魔煌ヴィレラ学問の発達した貴族国家。
 とある時期から隣国と和平同盟を結んでいる一方、ガルニア帝国とは大戦を機に緊張状態を保つ。西洋な建築様式の建物と、美しい水の都は必見。
 またこの国の内情で、貴族と平民の地位格差の問題により長年揉め続けている。

 〈リオフェイト司教国〉……宗教の本場である大国。
 世界地図の西に大きく位置し、世界の聖母だと知られている。軍隊などの武力を一切持たないことを宣言しており、国の防衛には他国の兵力を借りている。
 ミサは毎日とり行なわれ、国民は今日も戦女神セリスィに祈りを捧げる。

 土地柄・気候の記録

 ※特殊用語はページ下部参照。

 ・陸と海の比率がおよそ3:7、球体の惑星表面で生き物が生活を営んでいる。

 ◯大気圏の外には、天国か浮遊空間のようなものが存在すると考えられている。(そこへ行こうと試みるのは、間違いとされている)

 ・春夏秋冬があり、北半球と南半球で気候が大きく違う。また、快晴、雨、曇り、雷、雪、台風などの気象現象が存在する。

 ・一日二十四時間、一年三百六十五日。四年に一度、一日長くなる。

 ◯↑一年に四つの“つき”がある。春のつき、夏のつき、秋のつき、冬のつき。こちらでいう三月が春のスタートで、ひとつき約九十日あることになる。(例: 二月一日≒冬のつき六十三日。)

 ◯陣機械クロムディア文明が大きく衰退しているため、広大な自然は美しさと厳しさを保っている。

 ◯自然の中にはときどき骸霊ガイレイが姿を現し、生き物を襲う。一定時間が経つと、空間の歪みに消えてしまうものも多くいる。

 ◯それぞれの地域には骸霊ガイレイを避ける魔煌ヴィレラが常に作動しており、人間の暮らす街に骸霊ガイレイはめったに姿を現さない。(自然の中にこの魔煌ヴィレラを施すと、動物たちが凶暴化した例が複数あるため一般的には行わない)

 

Words.

 
魔煌ヴィレラ

自然のチカラをほんの少しだけ享受する行為。
(焚き木に火をつけたり小さな水球を手に現すといった簡単なものは、並の一般人が生活に使っている。現実のインフラはほぼない)

 
煌力レラ

魔煌ヴィレラを行使すると浪費する、この世界の人々にとっての生命力のようなもの。
かなりの個人差がある。数値として計測することはないが、どれほどの大きさなのかはわかる場合がある。

 
骸霊ガイレイ

人間や動物を襲う、この世界には生息しないはずの異形のモノ。
彼らにも血液に近いものは通っているようだが、体温がまるで屍のように冷たいことから、この名が付いた。
異次元からの空間を割った干渉、悪の使徒なのだといわれている。

 
陣機械クロムディア

機械のこと。魔煌ヴィレラで動くもの以外を指す。
一般では基本的に使われていない。

 
戦女神セリスィ

世界再生の女神。
闇者アシャと戦ったという記録が残されており、唯一の神と崇められている。
各地に教会がある。

 
闇者アシャ

かつて世界を滅ぼさんとした巨悪。
古の時代に戦女神セリスィの手によってどこかに封印されたと伝えられている。

 

Words. [etc.]

 
結社〈恒久の不死鳥〉 けっしゃ エタネル・フェニックス  

共和国の首都に拠点を置くギルド。
元は旅ギルドだったが、現在は街の自衛団として活動している。世界大戦への関与、従隷エグリマの開放活動なども行う謎の多い組織。

 
旅団〈闇夜の流星〉りょだん  ダークネス・メテオ  

王国出身の旅ギルド。
首領が元盗賊ということもあり騎士団から目を付けられているギルド。旅団はあとから付いた呼称。どうやら、各地の遺跡を無差別に荒らして回っているらしい。目的は不明。

 
紅い魔族レッドエルフ

戦闘能力の高いエルフ族。長い耳と尻尾、紅の瞳が特徴的で、身体が火に変化する独特の体質を生まれ持つ。首長国の片隅で集落を構え、ひっそりと暮らしているという。

 
邪神ジノア

かつて世界を混沌に陥れた闇者アシャのとある従者を崇める教えのこと。戦女神セリスィ教と対立している(邪神呼ばわりされるほどには、少数派)。

 
煌力鉱石レラジエジン

翡翠色の鉱石。呪文ひとつで人体の傷を治癒・修復する力を持つ特殊な鉱石であり、大規模な戦闘には欠かせない道具。 闇市場にも多く出回り、高値で取引されている。

 
従隷エグリマ

公国貴族の元、無償で働く人々の総称。階級制度のひとつ。年若い子どもが多い。

 
いろんな単位…

リル……通貨。紙幣と金貨などがある。

ケルト・マーレ・シース・ミラ……長さの単位。km, m, cm, mmのもじりであり、拙宅の世界観内ではこう読まれる。