夕刻の手紙


タイトル通り鬼滅映画のはなしです。私の版権ブログはちょっとレア。

最初は一人で行くつもりでしたが、一応相方に声をかけてみたところ、、


私「無限城に行こうと思う。よければ一緒にどう?」


相方「まだ1期の無惨出てきた前後までしか見れてないけど大丈夫?」

私「私もそのへんで原作離脱して、無限城の原作で戻ったから多分大丈夫」


相方「善逸くんとかも、よく知らないよ」

私「鬼狩りに愉快な同期と先輩が増えたよってことでだいたい大丈夫」(適当)


相方「行く」(興味の勝利)

 


ということで、〈鬼滅ミリしらの同行人〉を仲間にして映画館に向かいました。ある意味珍しい存在。

以下ネタバレ注意⚠ 

好きに書きなぐっていますので、多くは気にしないでください。(懇願)

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※一応注釈:私自身も鬼滅はそんなに詳しい方ではありません。漫画通しで読んだ程度の知識しかないです。その前提でお願いします。 

はい…正直に言いますと、私が心配してたのは「どこまで入ってるんだ今回は…」です。体感、無限城はワンピのアラバスタ編や、ドラゴンボールのフリーザ編くらいはあるのではないかと思っています。(実際比べてどうかは分かりませんが…)映画数本ぶんに分けて上手くまとまるのか、不安な感じですよね。

結論から言えばその心配はいらなかったです。

観劇前のマナー講座から、派手柱こと音柱が出てきて笑わせていただきました。笑

◆冒頭。お館様の覚悟ガンギまり特攻作戦のおさらいからやってくださった。感謝。あの産屋敷ボンバーから、随分月日がたったということか…。

司令塔の輝利哉さまもがんばっていますね! お館様や母、姉たちを失った直後にこの大仕事です。何気に今作、一番ツラい人なのではないかと思います。あの歳の子どもに耐えられるストレスではない…。無惨を倒そう。(決意)

◆無限城突入後のアクションが大幅に追加されたのがとてもよかった!! 柱全員の呼吸の技はやはり映えますね。特に悲鳴嶼さんの破壊力はチート! この武器の見せ方は、今後全部これでもいいのではないかと思ってしまいました。鎖斧とモーニングスター…派手かよ…!!

◆まさかの初手戦闘しのぶさん!?

私が一番驚いたのはここです。初手!!?原作の組み立てはもう少し違ったような気がする(記憶違い…?)。各々鬼に遭遇する中で犠牲が出てお通夜になっていたような…あのあと、善逸側とかと同時進行だったのだっけ。

しのぶさんは知と努力の人です。挿入された過去では「復讐」の側面が強く描かれ、初見の人にもわかりやすいようになっていました。

また敵の童磨の挿入過去では教祖させられてたことが早々に明かされましたね。宗教二世(?)としては、確かに生まれに恵まれなかったと思うのですが、人としてなんとも共感できない感性の持ち主なんですよね。この塩梅が好きなキャラです。鬼滅にはその作柄、血みどろのおいたわしい過去が多い中、童磨は親の曲がった教育のせいで(もしかしたらあったかもしれない)善の感情ごと奪われたようかのような描かれ方です。

対して、しのぶは体が小さくて鬼の首を切れないが、自身が開発した藤の花の毒を突き技で仕込むことで鬼を内部から破壊する戦闘スタイルです。しかし上弦にはこの毒が通用せず、すぐに分解されてしまう。圧倒的な力の前に努力が沈む。つらいですね。下手に追撃しないのも、結局首切れないと意味ないので、わかる。

しのぶはとっくの昔に覚悟を決めていて、激闘の末に一矢でも報いて死のうとしました。私は彼女の生き様が好きです。

◆善逸の戦闘、よかったですね!! 開口一番、兄弟子に罵声→お前のせいでじいちゃんが死んだ! の流れでどれほどの怒りか伝わってきます。普段は泣きじゃくったり怯えたりしてる善逸がガチギレしてるので、見てる側は負ける気がしない。雷の呼吸 一の型(霹靂一閃、で合ってますか?)を、眠らずシラフで放つガチのシリアスバトル、こんなに丁寧に描いて頂けて、感謝しかない…。そもそもここまでずっと霹靂一閃しか放ってないのに、技そのものが映え過ぎて善逸の戦闘は異様に格好いい。

一の型しか使えない善逸と、一の型以外は使える獪岳。弟弟子と兄弟子。この描写だけで、徹底的に読ませてくる。善逸の考えていた「幸せを入れる箱に穴が開いてんだ」(うろ覚え)の言葉が私は好きです。確かに獪岳は恵まれてます。雷の呼吸を師範直々に教わり、その弟子として将来を約束されました。だけど、足りなかった。善逸と共同ではなく、自分だけを一番の後継にしてほしかった。求めるあまり人間と鬼の善悪を踏み違えた……。最期は、一の型だけを極めた善逸自身の新しい技、七の型の剣によって葬られます。獪岳は挟持を捨て鬼にまで身をやつしたのに、最期までなんの一番にもなれなかった。なんだかそこが哲学的だなと思います。

◆猗窩座。強さを追い求めた男。

あの……気のせいでなければ、義勇の戦闘描写が、かなりアニオリ補完されましたか? こんなによくしゃべる義勇さん、最初期の叱責以来ではないでしょうか。

敵の猗窩座側の気持ちもよく分かります。

主人公の炭治郎は、貧しいながらもよい家族に恵まれ、そして鬼によってそれらを失いました。今回はそのときに得た経験を思い出し、記憶の中の父の教えで『透明な世界』『至高の境地』に至ることができた……炭治郎は、そういう己の力を誇示するような人ではありませんが、時として敵も含む他者を慈しむ(?)傾向にある。その視点が最高に善の主人公してますね。

炭治郎とは友だちにはなれないだろう…、と思うのが私個人の正直な気持ちです。(敵対したからには情けをかけられたくない、と思うのは不自然なことでしょうか)

猗窩座は連載当時、煉獄さんの一件で猛烈にヘイトを買ってネット民のおもちゃになっていた記憶がある。(笑)その後この無限城編で明かされた過去が本当においたわしくて、またお通夜になりましたね。。記憶にあたらしい。こゆきちゃんの件は口にする気にもなれない…。彼の過去によって、無惨がどれほどの諸悪の根源であるのかを補強している。これがまたスゴい。映画でもそこへの集約がキレイに表現されており嬉しかった。

無惨を殺そう。(殺意)

そんな第一章でした。

 

ひとことだけ申し上げるならば、胡蝶しのぶの戦いはぜひともフルで、通しで見せてほしかった。何を隠そうしのぶさん最推しとしては、冒頭のやられ役(ミスリード)みたいなポジションはしのぶさんの物理的な力無さをこれでもかというほど叩き付けるような見せ方で、なかなか心にくるものがあった。それも込みで、無限城という舞台を限られた時間でうまく魅せるにはこれが最適解だろうというのも伝わってきた。とてもよかった。(愛憎)

ここらで作風について。

私はどちらかというと、あまり多くを語らず行動で示すような作柄のほうが親しみがあるのですが、鬼滅のワニ先生の作風は真逆です。心情描写を8割くらいゴリゴリ書くことを突き詰めることでしか出来ない表現をまっすぐ極めているところが強いのだと思います。

それは普段「わ~キャラがカワイイ~!映像きれい!声優も豪華!すごい!」の視点でふんわり作品を見ているライト層を、考察勢の視点に片足突っ込ませるだけの絶対的なパワーがあります。ある意味では、ライトノベルライクですよね。

なので、好き嫌いは分かれるとは思うものの、『徹底的にわかりやすい』ことにおいて秀逸な作品だと思います。

ミリしらの相方にも感想を聞きました。

「よかった! でも情報量がすごかった、猗窩座に全部持って行かれたね。猗窩座はヒロイン。」

猗窩座はヒロイン。(原作勢卒倒の名言)

そうですね、救われましたもんね…。

よかったら猗窩座がヴィランしてる無限列車も見てくれとおすすめしておきました。

いやー楽しかった。無惨戦が待ちきれないです!!久々のセルフ感想戦でした!


2025.08.08




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